北陵高校 ◆鶴北戦プチレポート ◆鶴嶺高校

2014.07.03up

 
一昨夏の鶴嶺昨夏の北陵の戦いぶり、勝ちっぷり(いずれも3回勝った)は高校野球の持つ魅力を存分に教えてくれるものであった。

勝つことでしか得られない副産物 ― それははじめ「勝つ」ということ自体から生まれる当事者たちの達成感や満足感であるが、小さな同心円はやがて広がり、予期せぬケミストリーが起こる。

管理人は高校生対象の予備校で働いていることもあり、図らずも、勝ち上がって行く高校に所属する生徒たちが、1試合勝つたびに波状的とも言える“勢い”を増してゆく様がひしひしと伝わってきた。

それまで野球のことなど口にしたことのない女生徒が急に「○○くんがタイムリーヒット打ったよ」とか「ピッチャーの○○くんのボールは打てないよね」とか。○○くんは彼女たちの同級生なのだ。

また、男子生徒も「今日ヒットを打った××はいつも教室でつまらないギャグを言っている」とか「××の守備はマジうまいけど、勉強の方はヘタレだぜ」とか。××は彼らの同級生なのだ。
(男子の場合、誇らしさとともに、ちょっとだけやっかみも入っている)

にわか解説者・にわか友だちが急増するのは、自分の周囲に身近なヒーローが登場した時必ず起こる現象の1つであるし、テンションが上がるのも無理はなかろう。
(有名になると急に親戚が増える、というのも同じ原理に基づく)

野球部関係者<同級生<学校関係者<卒業生・父母<地域

夏の地方予選を勝ち進むにつれ、野球部の磁力は強いものになり、地域を巻き込んだ“熱量”も増大する。

それはスタンドでの応援人数も加速度的に増えることを意味し、たかが高校の部活ではあるのだが、膨大なエネルギーが潜在していることが窺われる。

野球が攻守が完全に分かれているスポーツでなかったら、こうした熱は生まれないのでは、といつも思う。
(守っている間は応援団も少し休めるし)

そうした特殊性も含め、長きに亘って夏の風物詩として愛されている高校野球。

振り返ってみると、この「部活ネット」でも創設の2003年から数えると12度目の夏を迎えることになる。

干支がひと回りしたことにちょっとした感慨を覚えるが、「部活ネット」がなくなろうが、この夏の風物詩が続く限り、日本という国にはちょっとした幸せの源泉が確実に存在し、平和であることを証明してくれるであろう。

この夏も微力ながら、高校野球に関わる人たちを応援してゆきたいと思う。

選手諸君も熱中症には気をつけて。
(管理人は絶対ムリをしないようにします...。倒れると迷惑がかかるしね)

特に3年生は、最後の夏に悔いの残らないように、ね。


初戦:7/13(日)対横須賀学院高校 於・横須賀スタジアム

昨夏、北陵野球部は池田颯というエースを擁し、部史上タイのベスト16にまで勝ち進んだ。

しかも、その勝ち方が2−1や1−0といった痺れるようなゲームの連続だったので、 勝ち進むにつれ、北陵高校内だけでなく、その周囲にも「熱」は伝播した。

しかし、そうやって勝ったことへのプレッシャーが今年のチームには圧し掛かる。

普段の力を出し切れるか。

それこそが最も難しいことなのだと管理人は痛感するが。

難しいからこそ、トライする価値もあるよね。

今年も北陵高校を応援します。

「1点ずつでも7点取る野球を」 キャプテン宮内優洋くん
 
中学時代(藤沢市立秋葉台中学)は正直“守備の人”だったというキャプテンの宮内優洋くん。

打撃重視の北陵に入学して「こんな野球もあるのか」と驚きつつも、次第に染まり、今では打率4割超(取材日時点)の強打者に成長。

昨夏ベスト16というプレッシャーも背負うキャプテンにインタビューさせてもらいました。

管理人「去年のチームと較べて、今年はどういう特徴がありますか」
宮内主将「去年の池田さんのような大黒柱はいないので、バントや四球も絡めて打線の繋がりで1点ずつ粘り強く取ることを意識しています。」

管理人「大量得点はそれほど望まない、と?」
宮内主将「ビッグイニングがあれば、それに越したことはありませんが、数少ないバントも有効に使って、下位からでも繋いで、1点ずつでもいいから7点取れるような野球をしたいです。」

 
管理人「投手も含めた守りということではいかかでしょう。」
宮内主将「正直言って、守備の練習時間とかはそれほど多くありませんから、集中力を持って守るということを課題にしています。エラーは出るでしょうが、そのあとどれほどカバー出来るか、ですね。投手は完投・完封ということは難しい状況なので、1年の細野にも一本立ちしてもらわなければなりません。マウンドでの立ち姿が堂々としていて、安心感もあります。3年の横山はサイドですが、テンポよく内角を攻められる本格派です。横山がいかに踏ん張れるか、で試合の流れも変わるので、キーマンだと言えます。」

管理人「チームの目標、今後特に意識していきたいことは何ですか。」
宮内主将「やることをしっかりやって勝ち上がりたいです。その結果、商大・隼人の勝者とやりたいという気持ちです。そのためには3年生が気持ちを結集して、まずはベンチが元気になることですね。そして50人の部員全員で野球をする、という意識でやりたいと思います。」

管理人「北陵高校を進学先の選択肢として考えている中学生たちへのメッセージをお願いします。」
宮内主将「部活のことも考えて高校を選ぶなら、オープンスクールや部活体験は重視して欲しいですね。北陵野球部は一人一人に合った練習メニューを準備してくれるという点で、自分の成長を助けてくれるところだと思います。中学時代はほとんど打てなくて、守りで使ってもらっていたのですが、北陵に入ってバッティングで大きく伸びたと思います。また、楽しんでやれるかどうかも大切で、北陵野球部にはそうした雰囲気もあります。」
 


陰の仕事人の矜持 背番号10・石井幹大くん
 

石井幹大君の名前は既に昨年の時点からしばしば挙がっていた。
(昨夏も背番号20でベンチ入り)

彼は北陵野球部“諜報部員”なのである。

昨夏、彼はベンチワークに勤しみ、持ち前のIT力を駆使して偵察・撮影・ビデオ編集を実行、快進撃の一助となったのだ。

管理人「サードコーチャーとしても頑張っていますが、そちらの仕事はいかがですか。」
石井くん「実は昨年秋の6校戦(毎年秋に行われる茅ヶ崎地区6校による準公式戦)の段階で一度クビになったのですが、チーム状況を一番わかっているということでもう一度やらせてもらっています。監督の意図を理解して、勝負すべきところでいかに突っ込ませるか、が大切だとわかってはいますが、やはりなかなか簡単ではありません。」

 
管理人「背番号をもらったからには、選手としても出場したいという気持ちはあるだろうけど、そのことについては?」
石井くん「選手としてはほとんど見られていないとは思いますが、5月末くらいからは、ベンチメンバーがバッティング練習をする月・金以外の日の朝に個人でバッティング練習をしています。試合に出られるとしたら代打が一番可能性があると思いますので。実際には打てるようになったかどうかは試合に出ないのでわからないのですが。」

管理人「将来はどういう仕事に就きたいという希望があるかな。」
石井くん「鳥越規央さんのように、野球のデータや統計に関する仕事に関わりたいと思っています。どうすればそうした仕事に就けるのか、今はよくわからないところもあるのですが。」
※編集・注)鳥越規央・・・『9回裏無死1塁でバントはするな』等の著書のある数理統計学者。スポーツに精通している。

管理人「最後に、中学生に対して北陵野球部のアピールをお願いします。」
石井くん「伸び伸び野球の出来る環境で、上級生・下級生の仲がいいのが特徴だと思います。けして緩くはないですが、楽しみながら野球を出来ますし、自分のような人間も受け入れてくれるようなバランスのよさ、懐の深さもあります。そういう環境を望んでいる人には最適です。」

彼が打席に立つ日は来るか...。

見守っていますね。


「継承と改革」 二人三脚で最後の夏 マネージャー
 
昨夏2年生ではあったが、責任マネージャーだった大島美波さん(写真左)・竹内千尋さん(右)の二人に、今年も引き続きインタビューさせてもらいました。

管理人「去年、夏に4試合出来て、とても充実した時間を過ごしたと思いますが、いよいよ自分たちの学年のチームになって迎えるこの夏、どんな気持ちですか。」
竹内さん「やや不安ですね。横山と鶴岡はケガをしていますし、好不調の波が大きいですし。去年と較べて、練習中の声はよく出ているかな。」
大島さん「打線に流れが出来つつあるので、そこには期待したいです。」

管理人「3年の夏ということで、いよいよ引退へのカウントダウンといった趣もありますが。」
大島さん「野球部をやめたら受験とかがとても不安です。部活に大きな比重があったので、簡単に切り替えられないかもしれません。」
竹内さん「大会そのものは楽しみですが、やっぱり引退はしたくないですね。何とかもう一度“勝つ高揚感”を味わいたいです。」

 

管理人「マネージャーを3年間やって、よかったと思えることは?」
竹内さん「以前より周りが見えるようになりました。それが野球だけではなくて、私生活でも視野が広がったと思います。」
大島さん「気づきが大切だということがよくわかりました。気づかないと、他の人に迷惑が掛かることもわかりました。」

管理人「大会までに選手に実行してもらいたいことや、言いたいことはありますか。」
大島さん「どんな状況でも声を出して明るくやって欲しいですね。そうすることでいろいろと打開できることもあると思います。」
竹内さん「残されている時間も限りがありますから、とにかく時間を大切にしてもらいたいです。」

北陵野球部には毎年マネージャーが考える“夏の合言葉”(漢字二文字)がある。

いつもは既存の言葉の1文字を変え、その言葉をお守りにつけて、ということをここ数年続けてきたが、今年は『感謝』というストレートな言葉に決定。
さらにはお守りもやめた。

そこには伝統を継承しつつ、変革もしてゆこうという心意気が垣間見える。

マネージャーの夏も熱い。
 


「ここに骨を埋めます」 11度目の夏 松島勝司監督
 
松島監督とは11年連続のインタビューとなった。

通例、神奈川県の公立高校の教員は同一校には10年までしかいられないとのことだが、10年目を終えた時の年齢による例外措置があり、松島監督は北陵での指導を選ばれた、ということだ。

管理人「ベスト16に残った昨年と較べて、今年はどういう方向にチームが向かっている状況でしょうか。」
松島監督「同じ時期で較べれば、全体的にはそう大きく戦力は変わらないと思いますが、投手力に課題がありますね。」

 
管理人「昨年はケガ人の影響もあって、背番号と守備位置が一致しない選手が多かったですが、結果的にそれが功を奏した面もありました。片桐くんや服部くんといった2ケタ背番号の選手の活躍も見ていて楽しかったです。」
松島監督「そうですね。それぞれの選手に危機回避のために複数ポジションを練習させている効果も出た年でした。結果としてキャッチングに優れた吉田を捕手にして、投手の池田、ショートの坪田、センターの飯田というセンターラインがしっかりして、4試合でエラーが池田の暴投1つだけでしたから、勝ち進めたということもあります。」

管理人「今年もどちらかと言うと打撃重視かと思いますが、どういう得点の取り方を想定されていますか。」
松島監督「今年はまだ打線は固定出来ていませんからね...。現時点であまり動かしていないのは3番の本室と8番の吉田ですかね。あとは残った期間で誰が出てきてくれるか、ですね。」

管理人「期待の人物はいますか。」
松島監督「まずは青野ですね。本来なら中軸、4番を任せたい気持ちもあるんですが...。真崎は野球に取り組む姿勢は真摯でよいのですが、ケガがちなところもあって、コンディショニング次第ですね。鶴岡はもっと欲があればね...。リストはチーム1強いんですが。」

管理人「ちなみにバントは...?」
松島監督「服部・仁木・吉田あたりには一応考えてはいますが。」

管理人「課題の投手陣の方はいかがですか。鶴嶺との試合では1年生の細野くんが5回まで零封しましたが。」
松島監督「彼はうまくなろうという意志が見られますし、理解力が高いです。なので、今はなるべく多く投げさせるようにしています。1試合ずつ進歩していますね。勿論、夏も戦力として考えています。」

管理人「昨年の池田くんのような大黒柱がいないということで、継投になりそうですが。」
松島監督「とにかく、競った場面での制球力ですね。横山もそこが課題でしょう。」

管理人「新しいコーチとして、昨年の主砲・野元くんが来ていますが、彼のコーチとしての資質というのはどういったところにありますか。」
松島監督「とにかく外野ノックで遠くに飛ばす力はピカイチですし、やっていれば間違いなくノックはうまくなると思いますよ。」

毎年のことながら、やりくりをしつつチームとしての精度を上げてゆくこの時期、監督の話には興味が湧きます。

この夏の北陵野球部の活躍を祈念致します。


学生コーチ2人に訊きました
 


◆野元湧太コーチ

今年からコーチに加わった野元くん。
昨夏、打撃でなかなか結果が出ず、悩んでいた時期もあったが、そうした経験も踏まえ、今年のチームについて語ってもらった。

管理人「どうしてコーチに?」
野元くん「将来教員になりたいと思っているので、コーチの話があって、引き受けました。」

 
管理人「去年、自分がフィールドにいて感じていたチームと今年のチームではどんな違いがありますか。」
野元くん「投手陣には課題もありますが、打は連打もありますし、遜色はないと思います。」

管理人「期待する選手は?」
野元くん「3年生の宮内、吉田、青野、本室、真崎といった選手でしょうか。特にキャプテンでもある宮内には頑張ってもらいたいです。」

管理人「チームに期待することは何でしょう。」
野元くん「昨夏の向上高校戦ではベンチにいる20人、全部員の総合力で負けたという印象があります。今年は一人一人がその持ち場で活躍する意識で、1つは自らの長所を出すようにしてもらいたいと思います。その上で、楽しくやって勝って欲しいというのが願いです。」
 

◆加藤貴明コーチ

コーチ4年目の加藤くん。
今年でいよいよコーチ稼業ともお別れとなる。

管理人「今年のチームについて一言お願いします。」
加藤コーチ「自分が3年生だった時、前年が結果を残していたのでプレッシャーが大きかったんですね。それで初戦負けした悔しさがありますから、似た状況にある今年のチームには是非勝ってもらいたいですね。」

管理人「注目している選手は?」
加藤コーチ「投手の横山です。体は小さいんですが、ストレートに威力があります。期待しています。あと、サードコーチに入っている石井の状況判断にも注目しています。」

管理人「勝ち抜くために必要なことは?」
加藤コーチ「チャンスで取り切れるかどうか。そこに掛かっていると思います。」

 
昨夏、法政二・川崎北という強豪相手に緊迫したゲームをもぎ取った際、加藤コーチの喜びが爆発したのを鮮明に記憶しています。

コーチとして最後の夏。
練習になるべく顔を出そうと、就活を早々に決着させた加藤コーチ。

君の喜ぶ顔もまた見たい。
 


北陵高校ベンチ入りメンバー
 1. 横山 翼   3年 綾瀬市立春日台中学
 2. 吉田 敦   3年 平塚市立浜岳中学
 3. 鶴岡 一晴 3年 藤沢市立秋葉台中学
 4. 服部 拓海 2年 茅ヶ崎市立松林中学
 5. 宮内 優洋 3年 藤沢市立秋葉台中学
 6. 本室 君樹 3年 藤沢市立高浜中学
 7. 真崎 泰成 3年 茅ヶ崎市立赤羽根中学
 8. 仁木 健斗 2年 藤沢市立滝の沢中学
 9. 青野 将   3年 茅ヶ崎市立松林中学
10. 石井 幹大 3年 茅ヶ崎市立浜須賀中学
11. 細野 優登 1年 平塚市立大野中学
12. 小城 遥平 3年 茅ヶ崎市立松林中学
13. 相澤 快   1年 藤沢市立明治中学
14. 栗原 和哉 2年 藤沢市立羽鳥中学
15. 渡辺 順也 3年 藤沢市立湘洋中学
16. 藤村 一生 1年 茅ヶ崎市立浜須賀中学
17. 駿東 政徳 3年 大磯町立大磯中学
18. 吉永 尚史 3年 藤沢市立明治中学
19. 大八木知樹 3年 茅ヶ崎市立松浪中学
20. 田中 竣平 3年 藤沢市立湘洋中学

 
6月14日(土)、北陵グラウンドで行われた鶴北戦。

天気もよく、野球観戦日和であった。

結果は3−2で北陵が勝利を収めたが、これはあくまで練習の一環であり、勝ち負けそのものの持つ意味はあまり大きく考えなくてもよかろう。

 
今年は大黒柱と呼べるエース・松田くんを擁する鶴嶺がやや有利かと思われていたが、3回ウラ北陵が4安打を集中(全て単打)して先行。

結果的にはそのまま逃げ切った、という図式であった。

北陵は1年生左腕の細野優登くんが先発。

時々すっぽ抜けるボールもあるが、終始落ち着いて5回まで零封。

まだスタミナには欠けるが、野球理解力が高く、投げるたびに何かを掴んでいる(松島監督・談)とのことで、夏の大会でも十分に計算できる戦力となろう。

ネット裏から見ていても、なかなか鋭い変化球もあった。

6回から投げた横山くんはサイドから力強い投球で、内角も鋭く突いていた。

9回、投げ急いだのか、四球を続けたのは今後の課題であろうか。
 

  
左から鶴嶺・松田投手、北陵・細野投手、北陵・横山投手
 
 
鶴嶺の松田くんは、昨年の鶴北戦で初完投勝利。

それを一つのステップにして、今の不動のエースという立場を築いたと言えよう。

今回、負け投手になったのは春の県大会の向上戦以来とのことだが、けして崩れてしまったわけでもなく、ピッチング自体はよかったように思えた。
 

  
左から北陵・吉田捕手、鶴嶺・小林捕手、鶴嶺・飯島主将
 
 
素晴らしかったのは両チームのキャッチャーだ。

北陵・吉田くん、鶴嶺・小林くんともに昨夏からマスクを被っているため、勿論経験値も高いのだが、どちらもキャッチングと敏捷性に優れている印象だ。

夏の大会のキャッチャーはたいへんな重労働だが、是非体調に気遣いながら、ずっとホームを守り続けて欲しい。

多くの高校で「複数投手制」は敷かれるようになったが、主戦捕手の代わりまではなかなか準備できないものだ。

彼らに掛かる期待は、ある意味で最も高いと言える。

また、管理人は鶴嶺の飯島主将にも注目していた。

トップバッターで「第1打席の初球はストレート狙いでいきます」と宣言していたので、思い切りよく振れるかなぁ、と。

昨夏、北陵のトップバッターでキャプテンだった飯田くんとイメージを重ねて見ていた。
(ちなみに、飯島悠斗と飯田悠斗で1字違いだったりもする...)

すると、有言実行で振りました。
(結果はファール)

その意気やよし。

彼は8回、右打ちの三塁打で打点を挙げる活躍もした。

9回、失点に繋がるミスもしたが、それを反省材料に頑張るはずだ。

このレポートの最後に、9回の鶴嶺高校の攻撃について触れておきたい。

1死後、2つの四球で一二塁となった場面で、7番の瀬戸くんが送りバントを決めた。

このあと、結果的にワイルドピッチによる1点が入っただけだったので、同点・逆転には至らなかったのだが、本当にブレがないと感心した次第である。

北陵・鶴嶺両チームらしい戦いぶりを見せてもらえて楽しかった。
 
...にしても、たくさん観客が来ていました。

皆、夏が近づくと野球熱が疼くのだろうか。

またスタジアムで会えることを楽しみにしています。

お声掛け頂いた皆さん、ありがとうございました。

お互い、熱中症には気をつけましょうね。
 

初戦:7/15 保土ヶ谷−鶴見の勝者 於・等々力球場

2010年に亀山監督が就任されて、最初の2年は初戦敗退が続いた。

それでも少しずつ積み上げていったものが開花し、2012年には森野・日向という2枚の好投手を擁して3勝。

昨夏も強烈なキャプテンシーで下級生中心のチームを牽引した両村主将のもと1勝を挙げ、いよいよこの夏シード権を獲得した鶴嶺。

紆余曲折はありつつも、だんだんと力をつけてゆくチームの成長を見るのは楽しい。

管理人が見ている範囲でも“精神年齢の高いチーム”という印象を受ける。

シード校という重みは受け止めつつ、それに押し潰されない逞しさで勝ち上がって欲しい。

3回勝てば、春にベスト8を懸けて敗れた相手、向上高校(ちなみに昨夏、ベスト16に進出した北陵を倒したのもこの学校である)との再戦が実現する。

ちなみに、向上は春の県大会で準優勝(優勝は横浜高校)し、その勢いで関東大会も準優勝している。

勿論、その戦いの場に立つには一戦一戦を勝って行かねばならない。

道はけして平坦ではないが、今年の鶴嶺には期待してもいいだろう。

「脚がウリ」 切り込み隊長・キャプテン飯島悠斗くん
 
今年のキャプテンは昨夏よりショートを守る飯島悠斗くん。
2年生主体であった昨年来、ずっと中心でチームを引っ張って来た。

管理人「キャプテンから見て、今年のチームはどのように映りますか。」
飯島主将「全体的には去年からの経験があるので、安心感はあります。エースの松田はストレートに威力がありますし、コントロールもよくなりました。何より意識が高く、投手陣を引っ張ってくれています。野手陣も副キャプテンの小林・松村がすごく助けてくれます。去年の両村さん(昨年の主将)の『意識を高く』というのを受け継いで、自分がミスをしたらゲームが終わるんだ、という気持ちを忘れずに練習もしています。」

管理人「鶴嶺野球部伝統のバント戦術についてはどうですか。」
飯島主将「勿論、打ってビッグイニングが出来れば理想的ですが、ある一定レベル以上の投手が相手だと、そうは打てませんから。ロースコアの展開で勝つような意識を共有して、バントの重要性を再認識しています。また、今はセーフティの練習もしていて、犠牲バントにしてもセーフティにしても、一発で決めることが大切だと考えてやっています。」

 
管理人「チームとしての目標は?」
飯島主将「ベスト16以上です。そこまで行けば、春にやられた向上と再戦出来ますし。春の向上戦ではミス絡みで取られた点で負け(結果は3-0で向上の勝ち)ました。粘り強く、ミスをしないでいればチャンスは必ずやってきますから、そこで得点に繋げる集中力があれば、強豪相手でも勝負は出来ると思います。」

管理人「飯島くん個人としてはどういう面を出したいかな。」
飯島主将「トップバッターなので、何とか出塁して掻き回したいですね。特に1打席目は大切だと思っています。初球ストレート狙いでいきます。守りでは外野との連携、声掛けを意識していきたいですね。」

管理人「将来はどうしたいと考えていますか。」
飯島主将「今の希望は管理栄養士になって、栄養面からスポーツに関わりたいと思っています。ただ、男子が入れる栄養系の大学が少なくて...。」

...確かに。

管理人「最後に、これから高校受験を目指す中学生にメッセージをお願いします。」
飯島主将「鶴嶺高校野球部は練習の日数や時間は長いけど、高い意識を持ってやれば、そうした苦しみを乗り越えて“勝つ喜び”を味わえるところです。鶴嶺への進学を考えている人は、是非夏の部活体験に来て下さい。僕も部活体験でここでやりたいと思いましたから。」

シード校というプレッシャーもあるだろうが、ひじょうに明るく語ってくれた飯島主将。

鶴嶺黄金時代を引き寄せてくれることを願っています!


鶴嶺野球部は私のアイデンティティ マネージャー・今野みづきさん
 
鶴嶺高校責任マネは、これで3年連続インタビューの“部活ネット新記録”達成となった今野みづきさん。

一昨年・昨年と幼さを残していた彼女も、その振る舞いが大人っぽくなって、しっかりしているのに驚かされる。

管理人「いよいよ最後の夏が近づいてきたわけだけど、今どういう心境かな?」
今野さん「私にとって鶴嶺高校野球部は自分のアイデンティティそのものなので、終ってしまったらどんな気持ちになるのか想像ができないですね。終って欲しくないという気持ちです。」

管理人「今年のチームは過去2年と較べてどういうチームだと感じますか。」
今野さん「3年生部員の仲がいいのが特徴ですね。これは去年、当時の2年生が中心になって試合をしていたこともあって、そこで経験値を上げてきたことが大きいと思います。先輩たちのお陰で今のチームは強さもあると思います。」

 
管理人「もっと伸びる余地があるとすれば、どこだと思いますか。」
今野さん「ん〜、技術的なことはわかりませんが、もっと声は出せると思います。練習や試合の苦しい時に声を出すことで頑張れることもありますから。」

管理人「今年も1年生マネージャーが入ってきたようですが、後輩たちが増えて、どんな気持ちですか。」
今野さん「可愛いです。仕事もなるべく伝えるように頑張っています。」

管理人「頑張って欲しい選手を挙げるとすれば?」
今野さん「...難しいですが、1人挙げるとすれば松田ですね。中学が同じ(茅ヶ崎市立浜須賀中学)ということもあるんですが、松田がどっしり投げれば全体が落ち着くので。」

将来は動物園の飼育係になりたいという今野さん。

最後の夏、君の笑顔が輝くことを祈ります。


「監督史上最強のチームで最高の結果を」 亀山博人監督
 
亀山監督をして、野球指導歴の中で“最もチーム力がある”という今年の鶴嶺高校。

10年ぶりにシード校として登場する夏。

監督の思いは...

管理人「春ベスト16で第3シードを獲りましたが、今年のチームは監督の目からはどう映りますか。」

 
亀山監督「エースの松田に絶対の信頼感があるということと、キャッチャーの小林も強肩に加えてキャッチャーらしからぬ機敏さがあり、彼ら二人が打でも主軸ということもあって、まずはこの二人がチームの骨格になっています。また、昨年もスタメンのうち6人が2年生という若いチームで戦っていましたから、そこからの経験の蓄積もひじょうに大きいですね。」

管理人「松田くんが不動のエースとなったわけですが、単にボールが速いというだけではそこまでの信頼感は得られないと思うのですが。」
亀山監督「1年夏はベンチから漏れ、秋、2年夏も背番号10でしたが、常にスタンバイが出来ていて、精神的にもけして腐ったりしませんでした。自己管理がしっかり出来ているのでケガもしませんし、意識も高いですね。昨夏、1回戦を勝ったあと、2回戦で鎌倉学園と当り、先発の若林とともに松田も打たれてショックを受けたのですが、自らの投げ方を信じ、フォームを変えずに全体的な力を上げていって強豪私学にも通用するように成長しました。結果として、昨秋は私が監督になって秋の大会としては初めて県大会に出場し、初戦松田が荏田高校を完封、2回戦の桐蔭学園でも7回まで1失点(結果は1-4で桐蔭の勝ち)と通じるようになりました。この春も、ベスト8を懸けた試合で、向上相手に3失点ですから、この力はもう本物でしょうね。」

管理人「松田くんが零封したとしても、得点が取れなければ勝てないわけですが、打線の方はいかがですか。」
亀山監督「キーマンはトップバッターの飯島でしょうね。彼が出塁することで流れも来ますから。」

管理人「バント戦術の見直しとかはありますか。」
亀山監督「バント重視であることは不動ですが、相手のシフトによってはバスターもありますね。それと強いチームに対しては、キャッチャーの方が強いので、スチール戦術はあまり通じないとも思っています。必然的にやはりバントは重要な戦術ですね。」

管理人「シード校だからといって受けに回ることはないかと思いますが、組合せの結果、順調に勝ち進めば5回戦で再度向上との戦いが予想されます。春の雪辱をするために、どんな戦略を描いていらっしゃいますか。」
亀山監督「勿論、1つずつ勝たなければその先のことはないわけですが、松田に完投の連続をさせるのは厳しいので、松田温存ということも考えてはいます。そのためには若林、長田に投げてもらうことも考えられますし、それだけでなく、1枚1年生の左の子もベンチに入れました。やはり、強豪私学と戦って勝負するには、それなりの準備も必要でしょうから。」

さあ、楽しみな夏。

願わくば地域を巻き込んだ旋風を起こして欲しい。
 

  
訪問日は久し振りにグラウンドで練習が出来る状態ではあったが、整備には余念がなかった

鶴嶺高校ベンチ入りメンバー

 1. 松田 裕樹  3年 茅ヶ崎市立浜須賀中学
 2. 小林 亮介  3年 藤沢市立大庭中学
 3. 小澤陽一朗 3年 藤沢市立六会中学
 4. 佐藤 快成  3年 藤沢市立高浜中学
 5. 及川 智也  3年 二宮町立二宮中学
 6. 飯島 悠斗  3年 平塚市立浜岳中学
 7. 長田 健哉  3年 寒川町立寒川東中学
 8. 瀬戸 達也  3年 藤沢市立六会中学
 9. 須田 輝我  3年 藤沢市立明治中学
10. 若林 和哉  3年 藤沢市立高浜中学
11. 松村龍太郎 3年 大磯町立大磯中学
12. 石山航太郎 3年 茅ヶ崎市立中島中学
13. 折原 和弥  3年 藤沢市立大庭中学
14. 三觜 凌平  3年 藤沢市立明治中学
15. 佐藤 樹   3年 二宮町立二宮中学
16. 園田 優太  3年 藤沢市立高浜中学
17. 佐々木 慎  2年 茅ヶ崎市立中島中学
18. 渡邊 勇樹  2年 平塚市立大野中学
19. 川口 太優  2年 茅ヶ崎市立松林中学
20. 星野 哲平  1年 平塚市立春日野中学