この「部活.ネット」は3月にオープンしたWEBサイト"bukatsu.net"[http://www.bukatsu.net]とともに、茅ヶ崎近隣の高校に於ける部活動を側面的に支援するものです。ナマの部活情報を提供するだけでなく、OBからのメッセージや部員不足の解消法、顧問の先生たちの声なども取り上げてゆきます。「私も情報発信したい」という方は、是非、次のアドレスにメールへ送信して下さい。所属高校・学年・部活などは問いません。先生方や父母の皆さんの投稿もお待ちしております。但し、他人を誹謗・中傷するものや個人情報の漏洩に相当するものは一切掲載できませんので、ご了承下さい。
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 私にとって、幼い夏の日に「甲子園」を見た記憶はかなり鮮明かつ劇的である。昆虫採集・プール・花火大会・淡い恋心といった不可欠な夏の要素に、高校野球は少しも劣ることなく、むしろ、それらよりも高い位置に鎮座している。
 たかが高校生の部活動を、NHKが一日中放映しているのだ。考えてみると、驚くべき事実なのであるが、そんなことよりも勝ったチームが校歌を歌い、負けたチームが泣きながらベンチ前に整列する様に、何か熱いものがこみ上げてくるのであった。
 その理由が『切迫感』だと知るのはかなりあとになってからのことであった。負けてしまえば、これまでともに鍛え、競い合ってきた仲間と一緒に野球をする機会をほぼ永遠に失うのである。(実は勝ち続けても同じなのだが...)
 高校野球がリーグ戦であったなら、これほど大きな感動は生んでこなかったろう。蟻が象を倒すこともあるのが野球の特性であり、それがトーナメントで行われるからこそドラマティックにもなるのだ。
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 7月12日より開始される神奈川大会は全国最多の198チームが参加する激戦区だが、うち3つが合同チームで、横須賀総合のように3校が併合して新たな学校に生まれ変わったものもあり、参加数は減少傾向。少子化の影響はここにも見て取れる。
 さて、私学圧倒的優位の中で茅ヶ崎市内の公立高校がどこまで頑張れるのか、現時点では勿論わからない。しかし、今回取材した5校はいずれも20名以上の部員がいて恵まれている部類に入ると言えるし、それぞれの目標は絵空事ではないはずだ。精一杯力を尽くし、悔いの残らない夏を謳歌して欲しい。
 ベンチ入りが叶わなかった3年生諸君、辛いだろうが、出場するメンバーに想いを託してチームのために最後まで頑張ってもらいたい。「部活.ネット」では君たちがいてこその野球部だと考えて応援している。                           −「部活.ネット」管理人・河本啓伸

※特集を組むに当たって、顧問の先生方へ事前に共通アンケートを取らせてもらいました。実際には16問ありましたが、紙面の都合上、@野球部顧問をやっていてよかったと思うことは何ですか。A高校野球の最大の魅力は? に絞って答えを掲載しました。尚、戦績については訪問日現在のものです。




 実力主義の徹底。7班編成でレギュラーを競い合う!
 お訪ねした日は「ノックデー」で、一週間で唯一校庭全面を野球部が使用することを許された木曜日であった。北陵に限らず、多くの公立高校は、サッカーと野球・陸上などがグラウンドを共有する関係で、バッティング練習は朝、始業前であり、外野ノックもままならないのが現状である。
 さて、今季の北陵は戦績を見てわかる通り、かなり期待されている。選手たちも自信を持って大会に臨むだろうし、芸術的ノックの鶴岡監督(写真上)もそのつもりだ。これは日頃から選手を7つの班に分けて(1〜2班はレギュラー組)、入れ替えも頻繁に行うことによる切磋琢磨が生んだ成果である。
 キャプテンの高山くんは昨年からのレギュラー捕手。エース左腕の小林くんとも2年越しのバッテリーで信頼感が高い。「本当は"甲子園"と言いたいけど、強豪私立を破ってベスト4が目標です」と語ってくれた。
 鶴岡先生自身が公立の進学校(県立川崎高校)で野球をやっていたこともあり、「打倒私学」に対する意欲はことのほか高い。順調にいけば、4回戦で相洋、それに勝てば春の県大会優勝校で鶴岡先生が高校時代からずっと後塵を拝し続けた東海大相模との対戦も考えられる。
 ノーシードではあるが、侮っていると彼らとて同じ高校生、何が起こるかわからない。そんな期待を抱かせる北陵野球部である。健闘を祈ろう。
@在籍当時はわからなかったことも、卒業してOBとして学校を訪ねてくれた時に「先生と野球をやっててよかった」と言ってくれることでしょうか。勿論、反発している生徒もいると思いますが。
A不可能を可能にする、ということに尽きます。ヘタだった子がすごく上手になったり、自分たちより強いと思われた相手に勝ったり。自分のやり方・接し方次第で成功もするし、失敗もします。それが魅力でしょうね。これは精神的にも肉体的にも成長期にある高校生だからこそ、ということですよ。




 未経験者も歓迎!まず野球を楽しむこと 只今1年マネ募集中
 寒川野球部では中学時代に野球をやっていなかった選手が3名ベンチ入りすることになっている。3年生は4人だけであり、「捕る」「投げる」という基本練習が必然的に増え、訪問した日もひたすらノックによる内野連携に精を出していた。
 キャプテンの椎野くん(外野手)は「まだ守備に不安があります。守りから崩れることのないように、初戦を突破したいです。」とやや控えめ(?)だ。
 その初戦の相手である湘南台高校には、ナント伊東先生の奥様が勤務されているという夫婦対決の図式になっている。練習試合では10点差をつけられて負けているそうだが、先生の目標も初戦突破である。
 エース・藤井くんはこの日、左肘に打球を受けて病院に行ったが、利き腕ではないので、大丈夫そうだ。「コーナーワークで勝負したい。どれだけインコースを突けるか、ですね。」とのこと。
 椎野くん・藤井くんが口を揃えて「現2年生は一緒に辛い時期も過ごしたので、1年生がたくさん入ったことに刺激を受けて頑張って欲しい。」と、後輩にエールを送る。
 その2年生マネ・庄司愛花さんは見るからに野球好き。1年生部員が11人入ったのにマネージャーがいないことに心を痛めている。「何か条件はある?」と聞いたところ、即座に「野球が好きな人」と返ってきた。
 寒川高校1年生の皆さん。誰か野球部マネージャーやりませんか?
@練習していることが試合で出来たこと。教え子が正月に飲みに来ること。
A一期一会 (回答は伊東先生です)




 負けることの意味を問う監督とリーダーシップ抜群のキャプテン
 お訪ねした日は、残念ながら雨。5校のうち、西浜だけが室内練習の取材となったが、ゆっくりと話を聞けるというメリットもあった。
 監督兼部長である黒崎先生の言葉で印象的なものがあった。これは「高校野球の魅力は?」という質問に対して『甲子園』というひと言だけをご回答頂いていたので、その意味をお尋ねした時のものだが「地方大会は全国の球児が甲子園というステージを目指して戦う場。負けるにしても甲子園を目指した上での負けかどうかが大切であり、生半可ではダメ。
 昨年は悔しい初戦敗退。その反省から、田中くん・春木くんという左腕2枚と主将の捕手・鶴嶋くんを中心とした守りを鍛え、3失点以内の試合も増えてきた。広い視野を持ち、常に明るく声を出してゆく主将は、黒崎先生からの信頼も厚い。それでも、目標のベスト8へ勝ち進んでゆくのに「打撃で勝ちたい」と言う鶴嶋主将。4番小長井くんを中心とするクリーンアップの爆発力が今年の西浜の持ち味だ。
 「普段練習しているキャッチボール・走塁・バントをきちんとやれば、必ず一度は流れが来る。」黒崎先生が語る勝負機での爆発を期待します!
@選手がヒットを打ったり、ナイスプレーをした後の満面の笑みを見た時。
A「甲子園」




 監督は県内最年長!?あの水戸商を破った力は発揮されるか
 茅ヶ崎高校は以前取材させてもらった吹奏楽部やチアリーディング部の活躍が顕著で「応援は一流」などと言われることも多い。しかし、今年は春の茨城遠征で水戸商・鉾田一高を破るなど、戦力面での充実も著しい。
 監督の斉藤照夫さんは68歳。縁あって茅高野球部監督になって二年目。「年齢だけなら県下一です」と笑う。確かに選手たちを見る目も孫を見るかのような(陳腐な表現でスミマセン)慈愛に満ちている。しかし、野球に対する情熱は薄れることなく「何とか私立にひと泡吹かせたい」とも。
 主将で一番打者、ショートを守る多田くんは内野の要として広い守備範囲を誇っている。「ウチは勢いで勝つチーム。展開が悪い時には声が出ていないので、声を出すことに一番気を使っています」とのこと。
 4番強打・強肩の三塁手坪井国義くんは、取材日には左手人差し指を亜脱臼(前日のノックで痛めたそうです)していて心配されたが、「週末の試合から復帰します」と力強い。チャンスに強い打撃で勝利へと導いて欲しい。
 最後にエースの水口崇くん。水戸商戦の完投勝利について尋ねると「いやぁ実は先頭打者にホームランを打たれてから気合を入れ直しました。コントロールも波が激しいので、とにかく気合ですね。」と最後まで気合を強調。
 期末テスト直前ではあったが、目標の初戦突破を目指し、内野連携などを徹底して鍛えていた茅高ナイン。「心のどこかに『甲子園』があるから厳しい練習にも耐えられますし、3年間やり通して、その予選の舞台に立つことが喜びになっている」と斉藤監督が語る"晴れ舞台"は間近だ。
@選手から新しい事柄や色々吸収する面も多く、それらが自身のエネルギーの源になっている。
A他の部活に較べて注目度が高く、とりわけすべてのチームが勝利を信じ、そして力を抜かず、最後の最後まで諦めることなく戦うひたむきな姿勢にあると思います。
 (回答は秋山先生です)



 集中力を切らさずに主導権を握れ!
 部長の加藤先生によれば、鶴高野球部は「人がいい」のだそうだ。時に要所で攻め切れず、時にやらなくてもよいエラーなどをしてしまう。
 「ヒットが打てない、エラーが出る、というのはある意味でしかたないが、そこで雰囲気を壊さず、粘って主導権をこちらに持ってこられるかどうか、というのが課題です。」とのことで、この日行われる海老名高校との練習試合でも、その辺りに注意したいというお話であった。
 昨夏より1番センターで活躍するキャプテンの池田くんも「とにかく諦めない。粘っていけば勝つチャンスも絶対に来る」と語っており、3〜4点のビハインドなら何とかしてみせる、という気概に溢れている。
(実際、6月21日に行われた鶴北戦では北陵に序盤4点リードされたが、追いついて引き分けた)
 ちなみに、池田くんは昨夏の大会で14打数10安打(打率.714)という驚異的な数字を残した。
 その池田くんと、市内では唯一人の男子マネ・松田兼昌くんは最後の夏に向けて「勝つために頑張ってきた。チームの目標も決まり、夏に向けて意識が高まってきた」と声を揃える。
 さて、海老名高校戦ではエース円谷(つむらや)くんが先発。青木くんのホームランなどで常に鶴嶺が先手を取って3点差で迎えた9回、疲れからか連打を浴びて1点返された上、尚、一死満塁の大ピンチ。ここで逆転されてしまうようだと、加藤先生の心配通り、というところであったが、強烈なセンター返しをショート茂岡くんが巧く捌いてゲッツーに仕留め、ゲームセット。鶴高野球部らしい勝ち方だったと言えばよいのだろうか。
 監督12年目の菊地原先生と部長2年目の加藤先生はともに鶴高野球部OBで学年も1つ違い。再び母校で巡り合い、二人で指導するというのも稀有な例だけに、是非とも目標であるベスト8進出を果たしてもらいたいと願っています。
@たくさんの素晴らしい教え子たちと出逢えたことです。
A野球というスポーツを通して大切な人生経験が出来ること。
 (回答は菊地原先生です)

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▼まずは、ご協力下さった関係者の皆さん、ありがとうございました。高校野球が人間形成に対して果たす役割が変わっていないことに安堵しました。▼審判・ご父母といった人たちにも話を伺ったので、まだまだ書きたいこともありましたが、紙面の都合上、割愛せざるを得ませんでした。さらに詳しい情報はWEB版でご覧下さい。▼3年生部員で今後も真剣勝負の野球を続ける、と答えたのはごく僅かでした。つまり大半の部員にとってはこれがまさしく最後の夏というわけです。しかし、彼らはピラミッドの頂点を支える底辺としてではなく、それぞれが自分史の中に於ける熱い1ページを刻んでいるのです。▼応援に行く人の思いもいろいろでしょう。願わくば試合に出ていない選手たちにも注目して下さい。彼らも一緒に戦っています。▼尚、今号で「サンガ通信」が掲載されていないのはスペースの関係で、K氏解雇、というわけではありません。ご了承下さい。

※WEB版では「サンガ通信」改め「京都からの喘ぎ」が読めます。 ◇京都からの喘ぎVOL.4